Excel方眼紙とは
エクセル(Excel)は表計算ソフトであり、本来はワープロ(文書)ソフトではありません。
マイクロソフトOfficeにはワープロソフトとしてワード(Word)が用意されています。
ところが、エクセル(Excel)の作表機能を方眼紙に見立てワープロ代わりに使って文書を作成する日本独自の習慣があります。
ワードもパワーポイントも使わず、文書もプレゼン資料もすべてエクセルで作っている会社もあります。
そのような習慣は神(紙として使う)エクセル、エクセル方眼紙などと呼ばれています。
文書作成ソフトとしてのOfficeアプリの比較
ワード、エクセル、パワーポイント、ワンノートは目的が異なるソフトではありますが、どれも「文書作成」に使うことができます。
そして文書作成ソフトとして見た場合の機能は下表のような得意・不得意があります。
ワード (Word) | エクセル (Excel) | パワーポイント (PowerPoint) | ワンノート (OneNote) | |
---|---|---|---|---|
WYSIWYG | ◯ | △ | △ | ☓ |
紙サイズ非依存 | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ |
プロジェクター | ☓ | ☓ | ◯ | ☓ |
計算 | △ | ◯ | ☓ | △ |
作表 | △ | ◯ | △ | △ |
グラフ | ☓ | ◯ | △ | ☓ |
作図 | △ | △ | ◯ | △ |
長文作成 | ◯ | ☓ | ☓ | △ |
文書管理 | ☓ | ☓ | ☓ | ◯ |
ビジネス文書ではWYSIWYGより紙サイズ非依存やプロジェクターとの相性のほうが重要では?
WYSIWYGとはWhat You See Is What You Getの略で画面に見えている内容がそのまま印刷物として得られるという意味です。
大昔のPCはこれができておらず、文書がどのように印刷されるかは実際に印刷してみるまでわからないという状態でした。
現在ではワードはほぼ完全なWYSIWYGを実現し、エクセルでは画面と印刷結果が多少ずれる場合がある程度です。
大昔のPCはもちろん論外なのですが、ビジネス文書であればエクセル程度のWYSIWYGで充分ではないでしょうか。
ビジネス文書でなくDTP(Desktop Publishing)用途であれば完璧なWYSIWYGが求められますが、Wordでは力不足でPublisherの出番となります。
ちなみにPublisherはOffice Professional 2021に含まれています。
もっと言ってしまえばDTP分野でマイクロソフトOfficeの出る幕はなくAdobeということになるかもしれません。
そして、WYSIWYGの実現のためにWordはA4やB3といった「紙サイズ」に強く依存しています。
しかし現在、ビジネス文書の閲覧は印刷ではなく画面が主流です。
またはプロジェクターに文書を映して大人数で議論する場面も多いです。
PCの画面やプロジェクターではA4やB4のような紙サイズを基に作られた文書は閲覧しづらいのです。
ビジネス文書は長文より図、表、グラフ
多数の章を含む長文を書くなら圧倒的にWordに軍配があがります。
しかし、大多数のビジネス文書は「少ない文字数でいかに理解してもらえるか」が鍵になります。
長文など論外で、図や表、グラフでわかりやすさを追求するわけです。
図なら圧倒的にパワーポイント、表とグラフならエクセルというわけです。
ちなみに図面、組織図、地図、ワークフローなどの作図に特化したVisioというアプリもあります。
VisioはOfficeスイートには含まれていませんが、マイクロソフトの製品のためエクセルやパワーポイントと同じUI(ユーザーインターフェイス)で操作できます。
エクセルやパワーポイントと違うのはStandard版(1人で編集)とProfessional版(複数人で共同編集)が別れている点です。
1枚ペラの文書ならワンノートで業務効率化
職場や部署によっては1枚ペラの文書というのは結構多いです。
主に社内や部内に配布されるために使われます。
長文でもなくWYSIWYGも要求されない、そしてPCの階層フォルダを探しまわって以前に作成された文書をコピーして作成することが多い、
そんな文書はワードでもエクセルでもなくワンノートで作ると業務効率化につながります。
ワンノートは本来デジタルノートアプリであり、ワードやエクセルと比べると文書の表現力はそれほど高くありません。
しかし、文書ファイルを管理する必要がないという圧倒的なメリットがあります。
ワンノートの検索窓に適当なキーワードを入れるだけで過去の文書がすぐに見つかるのです。
もちろん、ワンノートのデータは複数人で共有できます。
専用ソフトのほうが楽なもの
ワードやエクセルといったOfficeアプリはどんな文書や資料でも作れる汎用アプリです。
ただ、以下のようなものはOfficeアプリより、専用ソフトを使ったほうが遥かに楽に作成できます。
- スケジュール表
- 家計簿
- 新聞のようなレイアウト
- 見積書、納品書、請求書、領収書
- ホームページ
- 年賀状
- 楽譜
スケジュール表
スケジュール作成のためにエクセルで「作図」だけしている人も多いかと思います。
しかし、スケジュールを「作図」するのは骨が折れる作業です。
スケジュールを「作成」し、「自動的にスケジュール表を作図」するソフトを使ったほうが楽なのではないでしょうか。
家計簿
エクセル家計簿にはデータの長期保存や家計分析のカスタマイズなどのメリットはあります。
しかし、入力が大変すぎて長続きしないのが常であり、世の中の主流はクレジットカードや銀行口座の明細を自動取得する家計簿アプリです。
新聞のようなレイアウト
Wordがほぼ完全なWYSIWYGを実現できるといってもこのような縦書きの多段組を作るのは苦労します。
こういったものはWordではなく専用ソフトを使ったほうが簡単です。
見積書、納品書、請求書、領収書
見積書、納品書、請求書、領収書はOfficeソフトで作られる書類の代表格です。
しかし、これらの書類はfreeeなどの会計ソフトから自動生成したほうが楽です。
ホームページ
エクセルやワードなどはファイル保存時に「ファイル形式」として「Webページ(.htm)」として保存するとHTMLファイルを出力できます。
しかし、それをホームページの1部として使う方法は簡単ではありませんし、もしできたとしても品質的に納得できない可能性が高いです。
素直にホームページ作成ツールを使ったほうが遥かに簡単に品質に問題のないものを作れます。
ちなみに日本には「どんな書類もマイクロソフトOfficeで作る」と同様に「どんなホームページもWordPressで作る」と風潮があるようですが、WordPressも万能ではありません。
年賀状
年賀状はWordでできなくもないですが以下のような手間がかかります。
- 毛筆フォントの入手
- 年賀状デザインの入手
- 住所データとの連携
そのため、Wordより専用ソフトを使ったほうがはるかに楽です。
楽譜
楽譜の作成も専用アプリが楽です。
コメント
>そういう人は本当にマイクロソフトOfficeをわかっているのでしょうか?
という割に、データの再利用に関して話題がないとか、思考が紙ベースのおじいちゃんなのはいただけない。