
「ワードの代わり」でいいのか?
Macユーザーの元へ拡張子が「.docx」のファイルが送られてきたとします。
「.docx」はマイクロソフトWordの文書ファイルです。

ワードの代わりのアプリでもいいの?
そう考えるMacユーザーは少なくないのではないでしょうか。
互換性を気にしなければワードの代わりはいくらでもあります。
Apple謹製のPagesでも .docx を読み込むことができます。
単純なレイアウトのWord文書ならPagesでも表示できる場合が多いのですが、複雑なレイアウトはPagesでは表示が崩れる場合があります。
さらにPagesで編集した結果を .docx に書き出すこともできます。
でも、文書ファイルを送ってきた相手から文書に追記して送り返すように依頼されていたらPagesで書き出した .docx を送れるでしょうか?
少なくとも仕事の文書であれば到底無理ではないでしょうか。
自分一人だけで文書ファイルを扱うならPagesでもGoogleドキュメントでも「ワードの代わり」で問題ありません。
しかし、他人と文書ファイルをやりとりするなら「ワードの代わり」ではダメで、マイクロソフト純正のWordが必要です。
そして現在、ビジネス文書はWord、Excel、PowerPointといった「マイクロソフトOffice」がデファクトスタンドードになっています。
ビジネスで文書ファイルをやりとりするならMacユーザーもマイクロソフトOfficeが必要ではないでしょうか。
MacBook Airにエクセルは入ってる?
Windows PCにはエクセルなどのマイクロソフトOfficeが入って売られているものがあります。
1台のパソコンでOfficeを使うのであればそういったOffice付きのパソコンがお得です。
しかし、MacBook Airにエクセルは入っていません……というより、Office付きのMacは存在しません。
OutlookとOneNoteは無料
Outlookとはメール、予定表、連絡先、タスクの管理ソフトで、マイクロソフトOfficeアプリの1つです。
Windows版は有料ですがなぜかMac版はMac App Storeから無料でダウンロードできます。
OneNoteもマイクロソフトOfficeアプリの1つでEvernoteのようなデジタルノートアプリです。
OneNoteはMac版もWindows版も無料です。
Mac版はOutlookと同様にMac App Storeからダウンロードできます。
Office Home & Student 2021 for Mac
Macで使うために購入するマイクロソフトOfficeのエディションを決める時、とても大きな要素があります。
それはOfficeをWindowsでも使うか否かです。
Windowsでは使わずMacだけで使えればいいのであれば、Office Home & Student 2021 for Macというお買い得なエディションを選択できます。
Macで使えるすべての有料Officeアプリ(Word/Excel/PowerPoint)が含まれています。
製品名に「Student」が含まれていますが別に学生でなくても購入でき、商用利用もできます。
また、Mac専用とはいっても作成されるExcelやWordのファイルはWindows版と同一のため、Windowsと相互にやりとりできます。
学生・教職員なら
学生か教職員だけが購入できるMac専用のアカデミック版としてOffice Academic for Mac 2021があります。
ただし、Office Academic 2021 for for Macには商用利用できない制約があります。
アカデミック版が学割価格なのはこの制約のためです。
学生の間は問題にならないと思いますが、例えば卒業して就職した会社のOfficeファイルを自宅で編集するためにアカデミック版は使えません。
しかも、販売店によってはOffice Home & Business 2021とそれほど変わらない価格の場合もあるため、商用利用できなくても納得できる価格なのかよく確認する必要があります。
MacとWindowsの両方で使うなら
MacとWindowsの両方で使えるOfficeスイートはOffice Home & Business 2021です。
最大2台のMacかPCで使えます。
Microsoft 365もMacとWindowsの両方で使えるのですが、サブスクリプションのため毎年お金を支払い続ける必要があります。
WordとExcelの単体購入は損

WordとExcelは単体でも購入できます。
しかし、WordとExcelを両方購入するより、Office Home & Student 2021 for Macのほうが安いうえ、PowerPointもついてきます。
そのため、Macだけで使うのであればWordとExcelの単体購入は損です。
ただし、MacとWindowsの両方でWordとExcelだけ使うというのであればOffice Home & Business 2021よりお得です。
AccessとPublisherが必要なら
マイクロソフトOfficeのAccessとPublisherにはMac版が存在しません。
しかし、だからといってMacでAccessやPublisherが使えないという話にはなりません。
MacではWindowsも使えるためです(逆にWindowsでMacを使うことはできませんが)。
以下の記事のようにMacでWindowsを動かすことで、AccessもPublisherも使えます。
AccessとPuslisherを含むOfficeスイート(複数のOfficeアプリのセット製品)には以下があります。
COM/XLLアドインが必要なら
「アドイン」とはマイクロソフトOfficeを拡張するためのモジュールです。
このアドインはサードパーディやユーザーが開発します。
アドインにはいくつか種類があるのですが、COMアドイン(拡張子 .dll)とXLLアドイン(拡張子 .dll)はWindowsのAPIを利用し、Intel CPU向けにビルドされるため、Macでは動作しません。
しかし、だからといってMacでCOM/XLLアドインが使えないという話にはなりません。
前述の通り、MacではWindows版Officeも使えるためです。
Intel Macの場合
COM/XLLアドインには64bit版と32bit版があるのですが、Intel Macであればどちらも使えます。
Officeは特に指定しなければ64bit版Officeがインストールされているはずなので、64bit版アドインが使えます。
32bit版アドインを使う場合、32bit版Officeをインストールする必要があります。
M2/M1 Macの場合
現在の主流はIntel Macでなく、M2/M1 Macです。
……と思うのが当然ですが、なんと以下の条件であれば動きます。
- 64bit版アドイン
- Windows 11
これはOfficeがARM64EC(ARM64 Emulation Compatible)でビルドされているためです。
ただ、32bit版アドインはM2/M1 Macでは使えませんのであきらめるしかありませんが。
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