
永続版とプレインストール版は譲渡できそうですが……
マイクロソフトOfficeには大きく以下のようなライセンス形態があります。
サブスクリプション (Microsoft 365など) | 毎年料金を支払ってOfficeを使う契約 |
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永続版 (Office 2021など) | 買い切りのOffice |
プレインストール | PCに最初からインストールされている |
これらの中で料金を支払っている期間だけ使用できるサブスクリプションのOffice(Microsoft 365など)を譲渡できないのは常識的に理解できると思います。
しかし、永続版(買い切り)のOfficeは使わなくなったら譲渡(メルカリやヤフオクでの売却も含む)したいと考えるのが自然ではないでしょうか。
PCにプレインストールされているOfficeもPCと一緒に譲渡できると考えるのが自然でしょう。
しかし、永続版やプレインストール版のOfficeの譲渡はややこしい話になっています。
Microsoftアカウントによる認証
現在の(過去のOffceは異なります)個人向けOfficeはMicrosoftアカウントでサインインしないと使えません。
Microsoftアカウントとはマイクロソフトのサービスを利用したり、個人向けマイクロソフト製品のライセンス管理に使われるアカウントです。
Microsoftアカウントとサインイン先のOfficeのプロダクトキー(「XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX」形式の25文字の文字)が紐づいていれば認証されてOfficeが使えるようになります。
Microsoftアカウントとプロダクトキーが紐づくタイミングはOfficeの購入方法によって異なります。
- マイクロソフトストアでOfficeを購入した時
- マイクロソフトストア以外で購入したOfficeをインストールする時
- Office搭載PC(プロダクトキーカード付属)にOfficeをインストールする時
- Office搭載PC(プロダクトキーカードなし)のOfficeを初めて使う時
- POSA版Officeをインストールする時
プロダクトキーとMicrosoftアカウントの紐づけを変更できない
一度でもMicrosoftアカウントとプロダクトキーを紐付けると後から解除したり、別のMicrosoftアカウントに変更したりすることはできません。
そのため、もし複数のMicrosoftアカウントを持っている場合はプロダクトキーの紐づけ時にどのアカウントを使うかよく考える必要があります。
また、Microsoftアカウントに紐づけたプロダクトキーを他人に譲渡するのは無意味です。
そのプロダクトキーを譲渡された人のMicrosoftアカウントに紐づけようとしてもエラーになるためです。
だからといってプロダクトキーを紐づけたMicrosoftアカウントを譲渡するのも非現実的です。
MicrosoftアカウントにはOfficeのプロダクトキー以外にマイクロソフトの個人向け製品のライセンスや個人情報などが含まれているためです。
つまり、たとえ永続版やプレインストール版であってもOfficeの譲渡は基本的にできません。
永続版Officeを譲渡する方法
それでも永続版Officeを譲渡する方法はあります。
- Microsoftアカウントと紐づけしていないプロダクトキーを譲渡する
- Office専用のMicrosoftアカウントを譲渡する
Microsoftアカウントと紐づけしていないプロダクトキーを譲渡する
POSA版やマイクロソフトストア以外でOfficeを購入したものの、何らかの事情でMicrosoftアカウントと紐づけしていない(まったく使っていない)場合、プロダクトキーを譲渡できます。
Office専用のMicrosoftアカウントを譲渡する
Microsoftアカウントは一応、1人で複数アカウントを取得可能です。
また、WindowsへのサインインとOfficeへのサインインには別のアカウントが使えます。
そのため将来、Officeを譲渡することを見越してOffice専用のMicrosoftアカウントを取得し、そのアカウントを譲渡する方法があります。
ただ、複数のMicrosoftアカウントを管理するのは面倒ですし、譲渡時にMicrosftアカウントの個人情報を削除する必要があります。
さらに譲渡された人も複数のMicrosoftアカウントを管理する手間がかかります。
前述の事情をわかっている人に譲渡するならいいのですが、そうでない場合はトラブルの元にもなりそうです。
そもそも、
という疑問も……
プレインストール版Office搭載PCを譲渡する方法
プレインストール版Officeは本来PCと一緒に譲渡できないとおかしいとは思いますが、そうなっていません。
プレインストール版Officeを使用した(Microsoftアカウントと紐づけた)PCを「Office搭載PC」として譲渡するともちろん問題になります。
- Officeなしとして譲渡する
- Office専用のMicrosoftアカウントと一緒に譲渡する
- プレインストールのOfficeを使わない
Officeなしとして譲渡する
Officeをアンインストールしてしまい、「Officeなし」として譲渡する方法です。
メルカリやヤフオクなどでもOffice搭載PCが「Officeなし」として売られている場合があります。
Office専用のMicrosoftアカウントと一緒に譲渡する
PCを売却することを見越して前述のOffice専用MicrosoftアカウントでOfficeを使い、PCとMicrosoftアカウントを一緒に売却します。
ただ前述の通り、Microsoftアカウントの譲渡はいろいろ面倒があります。
プレインストールのOfficeを使わない
プレインストールのOfficeを使わなければ(Microsoftアカウントと紐付けなければ)、Office搭載PCとして問題なく譲渡できます。
Officeが使える職場または学校アカウントを持っているならそちらを使う方法もあります(職場や学校の許可が必要かもしれませんが)。
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