
Office Personal 2021はWindowsでは最も安価なOfficeスイートで、「家庭向け」のエディションとされています。
また、安価なPCに搭載(プリインストール)されているOfficeのほとんどがこのPersonalのプリインストール版です。
Office Personalはたしかに安価なのですが、お得とは思えません。
家庭向けとも思えないのです。
単体購入との価格差
Office PersonalにはWord、Excel、Outlookが含まれています。
Word、Excel、Outlookを単体購入すると合計61,770円かかるのに対し、Office Personal 2021であれば37,700円と、24,070円もお得です。
単体購入 | Office Personal 2021 | |
---|---|---|
Word | 20,590円 | ◯ |
Excel | 20,590円 | ◯ |
Outlook | 20,590円 | ◯ |
合計 | 61,770円 | 37,700円 |
会社でOutlookを使っているならお得
Outlookという名前はマイクロソフトの複数のサービスやソフトで使われていて紛らわしいのですが、マイクロソフトOfficeのOutlookとは企業が使うExchange Serverのクライアントソフトを指します。
Exchange Serverを介して社員間で連絡先や予定を共有したり、会議などのスケジューリングをしたり、転送不可メールなどインターネットメールではできない機密性の高いメールをやりとりしたりできます。
こうしたExchangeクライアントとしての機能が詰め込まれているOutlookは重量級のアプリです。
ExchangeクライアントとしてのOutlookの機能を考えれば、重い、遅いのもやむをえないのかもしれません。
しかし、ExchangeサーバーなしでOutlookを使うのであればとても重い、遅いだけのPIM機能付メーラーでしかありません。
OutlookがPIMとして使われた時代
PIMとはPersonal Information Managerの略で、個人情報を管理する機能のことです。
前述の通り、OutlookはExchangeサーバーで管理される企業情報(企業メールも会議スケジュールも個人情報ではありません)にアクセスするためのExchangeクライアントです。
しかし、ExchangeサーバーなしでOutlookを使うこともできます。
個人の連絡先、予定、メモなどを管理するPIMとインターネットメーラーとしてOutlookを使うわけです。
このPIMとしてのOutlookの利用はまだスマホがなく、Outlookの機能が少なくて軽かった時代には意味があったと思います。
しかし時代は変わり、PIMの役割はスマホが担うようになりました。
個人の連絡先や確認するのにいつでも手元にあってサクサク動きそのまま電話をかけられるスマホと、重くて遅くて電話がかけられないOutlookのどちらを使うか?
答えは明白でもはやOutlookをPIMとして使う時代は終わったということです。
ちなみにOutlookではメモも管理できますが、マイクロソフトのノート(メモ)アプリであるOneNoteが登場してからOutlookのメモ機能の位置づけは曖昧になってしまいました。
実際には個人向けでなく会社員向け
知り合いがOutlookをExchange Serverなしでインターネットメーラーとして使い、重い、遅い、と嘆いていました。
なぜ、Outlookを使っていたかといえば購入したOffice Personalに含まれていたからです。
しかし、ここまで読んでくださった方なら疑問に思うはずです。
個人向けのOffice Personalに企業で使われるExchangeのクライアントであるOutlookが含まれるのは一体どういうことなのか?……と。
おそらくOutlookをPIMとして使えという意図だと思いますが、無理があります。
現代のPIMはスマホであり、さらにOutlookが低機能で軽かった時代ならともかくOutlookはPIMとして使うには重すぎます。
どうもOffice PersonalとはOutlookがPIMとして使えた時代をひきずっている、時代遅れの個人向けエディション……
そんな感じを受けます。
まあ、Office Personalを個人向けと考えればそうなのですが、Exchange ServerとOutlookを使っている会社はたくさんあります。
会社でOutlookを使っていて自宅でも仕事をするならOutlookが含まれるOffice Personalはお買い得です。
コメント
[Office Personalは本当に家庭向けなのか?] についてコメントします。
あなたの説明は大部分で適正です。 ただし、 私は Microsoft Outlook を非常に便利と かんじています。 それについて説明させてください。
私は Thunderbird をメーラー、 Outlook をスケジュール通知ソフトウェアとして使い分けています。 スケジュール管理は Thunderbird でも可能ですし、 それ以外のフリー ソフトウェアも多数存在します。 しかし、 以下の点で Outlook が圧倒的に有利です。
・日本の祝祭日などが最初から表示されています。
・スケジュールの時間が過ぎていても通知してくれます。
これは ほかのソフトウェアでは実現できません。 具体的なスケジュールは [家賃振込み] [薬を飲む] などです。 ほかにも、 年末に [ポイント有効期限が近い] など、 [自分では絶対に忘れそうなこと] を Outlook に書きまくっています。 つまり、 実際のスケジュールというより むしろ [備忘録専用ソフトウェア] です。 後は Outlook をタスク トレイに 放り込んでおくだけです。 Outlook に こういう利点もあることを伝えておきたかったのです。 価格は高いですが、 それに見合った価値は あります。